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茅台酒の魅力

貴州省の独特な気候風土と長期熟成により、まろやかな味と芳醇な香りが最大の特徴です。

その香りの余韻は長く、中国最高峰の美酒と称されています。

長年の熟成によって生まれる深く複雑で芳醇な香りと味を楽しむために

常温で飲むことが一般的ですが、

ロックでも美味しく飲むことができます。また中国料理をはじめとするアジア料理との相性が良く、

少しずつ楽しむのが一般的です。

近年ではカクテルやソーダ割で飲まれることもあり、新しい楽しみ方が模索されています。

国内外で高い人気があり、特に富裕層やビジネスシーンでの贈答品として人気があるほか、

世界中の高級レストランやバーでも取り扱われ、特に海外の酒愛好者の間で評価されており、

茅台酒はオークションで高額で取引されることもあります。

茅台酒の歴史

貴州省茅台鎮では、漢の時代(紀元前135年~紀元前30年頃)から

酒造りが始まったといわれています。

茅台鎮は地勢が高く、四方を山に囲まれて、山間盆地や河谷盆地が多く、平坦な地形、

肥沃な土地、湿度は適度で風速は小さく、日照が短く、霜の期間も短く、温度差も小さいため、

光・熱・水という美酒を醸造するための条件が整っており、「風水の宝地」と称されています。

この貴州の美しい山々と清らかな川が、茅台酒をはじめとする数々の銘酒を育んできました。

現在、「茅台酒製造技術」および「董酒酒造技術」は国家級の非物質文化遺産に登録されており、

貴州に暮らす多民族によって、酒にまつわる独自の技術や儀式・風習が受け継がれています。

酒旗・酒歌・酒礼など、豊かな酒文化がこの地に根づいています。

また、茅台鎮は古くから四川省と貴州省を結ぶ交通の要所でもあり、

その地理的特性と歴史的背景が、今日の酒造文化の礎となっています

茅台酒の製造方法

原料は、地元産の高梁(コーリャン、蜀黍、モロコシ)と小麦、長江支流である赤水河の水を使用。
霧が深く、年間を通して気温の変化が少なく、温暖湿潤な気候と豊かな水源に恵まれた
貴州省茅台村は、高粱(コーリャン)の栽培に最適で、厳選された原料を使用しています。

原料の蒸しと発酵、蒸留を幾度も繰り返す「九蒸八酵七取酒」により製造した
酒を3年以上も熟成し、調整・配合を経て再び熟成し、たくさんの手間暇をかけて
最低5年近くもかけて完成します。中には10年以上も熟成させた古酒もあります。

国酒としての茅台酒

中国で茅台酒は国酒として300年以上の歴史を持ち、

1915年に開催されたサンフランシスコ万国博覧会で金賞を受賞したことで、

一躍世界的に有名になり、1953年からは世界各国で販売されてきました。

 アルコール度数は53度と高めですが、味はまろやかで甘みもあり、

純度が高く二日酔いにもなりにくいといわれています。

むしろ適度の飲用は健康に良いとされ、周恩来は風邪を引いても薬は飲まず、

茅台酒を飲んで治していたというエピソードが残されているほどです。

 日本でも2022年に「一般社団法人日本中国白酒協会」が設立され、

これから存在感を増していくことが予想されています。

 

歴史を動かした、一杯の酒

1972年、中華人民共和国と日本国が国交を正常化するという歴史的な節目に、
中国・北京にて、周恩来首相と日本の田中角栄首相が会談の席につきました。
その晩餐の席で供されたのが、中国を代表する酒「茅台」でした。
両国の首脳は、茅台酒の盃を交わしながら、新たな時代の扉を共に開く決意を示しました。
その一杯には、過去を乗り越え、未来を見据える両国の誠意と信頼が込められていたのです。
茅台は、ただの酒ではありません。
国の顔として、国家の想いを託し、言葉を超えて心を通わせる架け橋となる存在です。
田中角栄と周恩来が交わしたあの一杯は、
中国と日本の新しい関係のはじまりを静かに、そして力強く象徴しました。
それ以来、茅台酒は、国際外交の場において信頼と敬意の証として振る舞われ続け、
今もなお、国と国とを結ぶ“特別な一杯”として、世界中でその輝きを放っています。

― 田中角栄首相と周恩来総理、国交正常化の夜に交わされた、歴史の一杯 ―
日中国交正常化の大きな節目を迎える中、
表舞台では田中角栄首相と周恩来総理による首脳会談が注目を集めていました。
その裏側で、両国の信頼関係構築に尽力したのが、
元総理秘書官・木内昭胤氏です。木内氏は長年にわたり中国との交流を重ね、
相互理解と友好の基盤づくりに貢献した人物として知られています。
 その中で、周恩来総理と木内氏が茅台酒で静かに杯を交わした場面は、
公式記録には残らないものの、深い信頼と尊敬の気持ちが込められた
歴史的瞬間として語り継がれています。
政治的儀礼を超えた、人と人との心の交流がそこにはありました。
 茅台酒は、中国を代表する名酒として、外交の場や重要な節目でたびたび登場し、
国境を越えて人々の絆を結んできました。

 木内昭胤氏と周恩来総理が茅台酒で信頼と友情を結んだ、静かなる乾杯